2011-05-27

NIKKEI Archives<American vintage>.

<ハリウッドスターが残した、着る遺産>
『マニアックに楽しむアメリカン・ヴィンテージの世界』

 
1950年代のアメリカン・ファッションが急激にもてはやされ、リバイバルブームに拍車がかかっている。リアルレザーのモーターサイクルジャケットを筆頭に、レーヨンのボーリングシャツや濃い藍のリジッドデニムが、50年代を象徴するアイテムとして再び店頭を賑わせているのだ。
 マーロン・ブランド、ジェームス・ディーン、エルビス・プレスリー……50年代を駆け抜けたこれらのハリウッドスターは、メンズファッション史において、必ず触れるべき永久不滅のファッションアイコンだ。彼らが生んだ50年代のアメリカン・ファッションが昔から好きで、バイカーズやロカビリーのアイテムを扱う渋谷・原宿界隈のヴィンテージショップを巡るのだが、店主やスタッフなど50年代のアメリカン・クロージングのヴィンテージ愛好者たちは知識が深く、いつも驚かされる。


 映画『乱暴者』でマーロン・ブランドが着るモーターサイクルジャケットの各パーツを見て「デュラベル社製」と推測したり、ピンナップ写真からエルビス・プレスリーの好んだシャツの襟型をイタリアンカラーと分析したり……そのレベルはまさに専門家。当時の映画のスティール写真やパンフレットを徹底的に調べ倒してのことなのだろうが、情報の裏付けにも感服させられる。
 今もなお、50年代のアメリカン・ファッションからは新たな発見があるらしいが、これこそ日本が世界に誇るオタク気質。その探究心豊かなアプローチは、日本人的なヴィンテージ・ファッションの楽しみ方だ。そうした生きたヴィンテージの知識のおかげで、今ではブランドタグなどを確認しなくても、襟型のデザインや生地の質感から年代を見分けられるようになった。
 歴史背景や素材、製法などにこだわるのがメンズファッションの世界。スタイリングの仕事をしていても感覚では済まされないことが多々ある。最近50年代のヴィンテージ・ファッションの奥深さがわかってきたことで、改めてそのことに気付かされる。まだまだ愛好者には及ばないが、もはやトレンドやブームを超越したこの世界に、ますますのめりこんでいきそうな自分がいる。

左:50’sデッドストック シルク イタリアンカラー ショートスリーブシャツ 右:ホースハイドレザー モーターサイクルジャケット*デュラベル社製のモーターサイクルジャケット。50年代のアメリカン・クロージングのヴィンテージ愛好者の間では、マーロン・ブランドが『乱暴者』の劇中で着ていたブランドだと言われている。

Posted by  onodahitoshi

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