2011-05-28

NIKKEI Archives<New traditional style>.

<英国の老舗ブランドを改革した新進デザイナー>
『新生ダンヒルにみるエキセントリックな魅力』
 
キム・ジョーンズがダンヒルのクリエイティブディレクターに就いて、4シーズンが過ぎた。
 伝統的な英国スタイルに、ストリートやモードを融合させることを得意とする彼は、もともと1980年代のパンクムーブメントに影響を受けたデザイナー。自身のブランド『キム ジョーンズ』や、スポーツブランド『アンブロ』、イギリスのファストファッション最大手の『トップショップ』とのコラボレーションを通じて、常に新時代のUKファッションを発信してきた。彼のコレクション見たさに、ロンドンやパリまで足を運んだこともあり、現在のダンヒルでの活躍は興味深い。
 就任当初、往年のダンヒルファンからの評価はかなり厳しかったと聞いた。近代的な紳士服飾を生んだ英国の老舗ブランドを、生粋の英国人とはいえ、若手のモード系新進デザイナーが手掛けるのだから、批判的な反応も予想はつく。
 でも、彼は結果として高い評価を得た。英国のモダンなスーチングとアッパークラスのカジュアルを上手くまとめた、貴族的ながらも“ひねり”を利かせたコレクションが、往年のファンからも受け入れられたのだ。シーズンを重ねた今も、それは全くブレていない。
 この夏、キムに会うことができた。ダンヒルのコレクションで今後目指すところを聞いてみると、「年齢や世代を超えたリアルクローズでありながら、そこにラグジュアリー感がミックスされたスタイルがネクストレベルだ」と答えてくれた。
 安易なトレンドを受け入れず、カウンターカルチャーのなんたるかを理解したデザイナーならではの一言だと思った。破れやほつれといったパンクファッションの表面的な部分ではなく、ダンヒルというラグジュアリーブランドのなかで、どれだけエキセントリックな表現ができるか。そんな本質に対する前向きな挑戦こそが、キム流のパンクマインドなんだろう。

 老舗ブランドではあるが、キムのような前衛的なデザイナーを迎え入れたダンヒルの“攻め”の姿勢も際立っている。象徴的なのが、今シーズンのハイキングブーツだ。ベーシックなトレッキングブーツの素材に、ドレスシューズに使うような高級なアリゲーター革を使用している。これは、かなりかっこいい。が、残念ながらこのブーツは2足限定入荷で、売約済みとのこと。新生ダンヒルを象徴するアイテムだけに、ぜひ日本への追加導入を検討してもらいたいところだ。

シベリアコート(ライニングのみを使用)、ストライプシャツ、Vネックニット、トラウザース、クロコUチップシューズ、ボストンバッグ(すべてダンヒル/リシュモン F&A ジャパン)

Posted by  onodahitoshi

最新の記事

Form.

2017-10-16

Holiday.

2017-10-10

2017-10-10

2017-10-02

Lace up.

2017-10-01

Hitoshi Onoda

Profile

  • Stylist
  • Fashion Director

CHOICE:02

Cotton White Rib Socks.

CHOICE:01

Folding Hanger Rail.

ファッションデザイナーの仕事がわかる本 著・小野田 史

Works photo