2012-08-29

The Man<Lapo Eduard Elkann>



 僕自身、いわゆるアウトローやカウンターカルチャーの主役であるバイカーズやパンクス、そして名立たる功績や名曲を生み出したミュージシャンというのが、ファッションでいう“絶対的不良”なのは重々承知している。が、今の時代、世界のファッションシーンを考えると、現代の不良を育む土壌は、何もワーキングクラスや街という意味でのストリート、そしてステージ上だけとも限らないとも思っている。
 インテリジェンスを求められるシーン、例えば経済界。突き抜けて高尚な階級の中に潜むインテリジェンス・マフィアな不良たちは、常に知的で経済的にも裕福、それでいて豪快で破天荒なだけあって、そのファッションやスタイルもかなり強烈で異彩を放つパターンが多い。
ラポ・エルカーン。タイムやフォーブスなど世界の経済誌にも度々取上げられるこの男。フィアットとユベントスの元会長であるジャンニ・アニエッリの孫で、インディゴデニムに張り替えたフェラーリのシートに何の躊躇もなく白いスーツで乗り込む彼は、2005年にトリノの裏通りの売春宿でオーバードーズで倒れ、その事実を完全にモミ消した筋金入りのインテリジェンス・アウトサイダーであり、ちょうど2,3年前、原宿のラボラトリー/ベルベルジン®にひょっこりと現れ「明らかにカタギじゃないイタリア人がヴィンテージのクラブジャケットを買って、レジ前でいきなり裸になって羽織っていった」なんてUMAの如く、いまだに語り継がれる都市伝説の話の主でもある。
しかし、日本人からしてみたらどうしようもないセンスの漢字のタトゥーを全身にまといサングラスをカチューシャ代わりにするこの彼のセンスには、脅威を感じずにいられない。洒落人で有名だった祖父の、約80着もの形見のカラチェニやハンツマンのスーツ、それらすべてに手を加えて自分好みのスリムフィットなシルエットにリフォームしたと思えば、そのブリブリのワイドラペルで異常に袖丈の短いアンバランスなスーチングに、オールドのラングラーのダンガリーやカルペディウムのブーツを合わせたり、また、時にタンブルアンドアッサーのシャツやハンツマンのタイで正統派の英国然と決めつつも、足元にはブリティッシュパンクなヴィヴィアンのアンクルブーツを持ってきたりと、一見、ハチャメチャな合わせだがそのまとまり具合は完璧で、「縛られた同列感」と「個性のないのが個性」ばかりでつまらなかった昨今のクロージングシーンに、圧倒的なパンチ力のファッションセンスを突きつけてくれた。
そんな彼がインフルエンサーとなり、今日のトレンドのひとつとして蔓延したのが幅12センチ強のスーパーワイドラベル。リフォームしたカラチェニやハンツマンといった祖父譲りのスーツが元々ワイドラペルだっただけに過ぎなかったのかもしれないが、これこそ男らしく威勢があって胸を強調するシンボルとして、今の時代が求めていたジャケットのニューディテールとして世界的に評価されることなった。そして、それはキートンのチーパといった最高峰クラシコシーンにも十分影響を与えるものとなった。
そもそもクラシックなテーラードスーツに手を加えて誕生した、オリジナリティ溢れる彼のシグニチャースタイル。リアル不良のファンタジスタがもたらしたこの功績は非常に大きく、クラシックだろうが、ストリートだろうが、ハイでもローでも、ファッションに何の気負いも感じさせない、その勢いがとにかくいい。

Posted by  onodahitoshi

2012-08-13

My Vintage King.


若い頃の記憶力というのは本当に恐ろしく、それがティーンエイジの頃だと更に輪をかけてタチが悪い。
スポンジのような吸収力の記憶は時に、トラウマのような感覚さえ引きづってならない。
オールドやヴィンテージなんて言葉を意識するよりも先に、知った大事なこと。
それが「オリジナルに着こなすスタイル」にあることを知った。
スケーターのようにオーバーサイズで着るヴィンテージデニムのセットアップにデザイナーズのベルト。
サイズバランスもさることながら、パーソナルが宿るこのスタイルが異常なまでにかっこいいのは、今も昔も少しも変らない。

Posted by  onodahitoshi

2012-08-13

Camicia,Chemise…Shirt.


ひたすらにTシャツが好きだった頃のように、今ではそれ以上にシャツを着ることが多くなった。
最近では、Gイングレーゼサルバトーレ・ピッコロ、そして専業ではないがイザイアのラウンドカラーなどそう。
ちなみに写真のソフィア・コッポラの着ているシャツはシャルベ。
クラシックだろうと、モダンだろうと、今はただシャツがいい。

Posted by  onodahitoshi

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