2013-11-30

School Color.

アイビーの名門校ハーバード。

そのカレッジカラーのヴァーガンディは、ニューヨーク大のパープル、ブラウン大のブラウンと並んで、90年代から馴染みの深いストリートクラシックなカラーだと思います。

90年代当時は、ハーバード大のスウェットやTシャツは、まさにレアアイテムで、これらのカレッジアイテムはいわゆる“並行屋”で大変な高値で売られていたことも記憶に残っています。

さて、そんなハーバード大ですが、最近では、むしろアイビーという印象よりも、こんなイメージが強いのではないでしょうか。

『マーク・ザッカーバーグやフェイスブックを生んだITスノッブなビジネスカレッジ』。

そんなイマドキな印象からでしょうか、近頃では、名門ハーバード大のロゴがよりエッジで不良に感じてなりません。


 

さて、来季、春夏のプレスプレビューを回っていた折、そんなハーバード大のカレッジロゴを使って、インディペンデントのブランドが、オフィシャルでアイテム展開していたのにはかなり驚かされました。

しかも、プレビューで訪れる行く先々のセレクトショップの“推しラック”は、ほぼそのブランドのアイテムだったことも、その驚きにさらに拍車をかけたのはいうまでもありません。

ハーバード大のロゴを使ったキャップやビッグシルエットのTシャツにスウェット。

クリエイティブの面としても、凝ったグラフィックデザインやメッセージなんかよりも、随分と洒落てみえましたし、インディーズだからこそオフィシャルのコラボとしてだいぶ説得力のあるブランディングがとても痛快に思えてなりませんでした。

そんなストリートのブランディングのパイオニアは、やはりシュプリームとは思いますが、来季の春夏は、きっとこんなのアイテムを筆頭としたロゴやフォントでみせるパワフルな90年代のムードがストリートのメインを張るに違いありません(シュプリームでも、過去にそのままの“ハーバードロゴ”を展開)

ちなみに、ステファノ・ピラーティのゼニアのコレクションで仕掛けた、『夏にヴァーガンディを着る』、なんて乙なワントーンの着こなしもどうやら来季のトレンドの予兆がします。

 

 

 

 

Posted by  onodahitoshi

2013-11-05

Simple Technique.

 

 

ライフワークのように親しみを覚える仕事があります。

 

そのひとつが今年、5周年を迎えたシューズブランド<カミナンド>のシーズンヴィジュアルです。

 

新作コレクションとなる2013AWは、5周年の御祝のムードとリンクして、アールデコのリアルな世界の中、ストリートナウなドレスコードでのスーツスタイルをベースに構成しています。
 

スタイリングのイメージソースは、60sのモッズが影響を受けたイタリアンコンチネンタルです。
 

カミナンドの新作となるホースビッドローファーやコンビレザーのフルブローグに、あえてパニコやアットリーニといった王道のクラシコスーツを合わせていますが、『クラシコをモダンに』と、そのスーツのストリートナウなコード変換には、非常に気を使いました。

 

そのため、肩が入るぐらい攻め込んだコンパクトなサイジングだったり、極端に短丈の設定させたターンナップのレングスだったり、そして、センツァ・カルツァ(素足に革靴)やホワイトのリブホーズといった旬な“クルブシ”のバリエーションなども意識的に組み合わせました。

 

しかし、その中で、最も肝心だったのは、やはりタイとVゾーンです。

 

スタイルの華となるタイやVゾーン。

そこには、必然的にアイキャッチな“違和感”が生まれるように、幾つかテクニックをプラスしています。

 

さて、スーツというルールの中での、仕掛けるテクニックについて。

 

クラシックやオーセンティックは、『真似(まね)るは学(まな)ぶ』の世界です。

 

今回のカミナンドのスタイリングでもあるように、長めにとった小剣やノットずらし、そして段返り下1つ掛けといった仕掛けは、教条とは正反対のアウトサイドな作法とは思います。が、たったそれだけのことによって、見え方はガラりと変り、ファッションにマイノリティな個性が生まれます。

きっとストリートカルチャーで育った世代だからでしょうか。このファッションにおいてのアウトサイドとか、マイノリティという表現を自分は常に意識します。

 

もはやドレスやクラシック好きの方々には常套手段ではありますが、これらのツイストされたテクニックについてはジャンニ・アニエッリやタイ・ユア・タイのフランコ・ミヌッチ氏といったクラシコの巨人たちの着こなしが代表的です。

 

クラシコのグランドファーザーであるそんな御大の自由なスーツの着方は、きっと、偶発的とは思いますが、決して的を外している訳ではなく、むしろ、コンサバティブなスーツスタイルに、自由な潤いすら与えていると感じます。

 

 

今回はそんな彼らのテクニックをアレンジしたりしながら、スタイリングのソースやアイディアに落とし込んでいます。
 

それによって、堅く窮屈なスーチングの印象を、よりソフトにモダンに昇華するのがその最たる狙いです。

さて、近頃では、脱税問題はさておき、元ヴァレンティノ会長のマッテォ・マルゾッドのタイドもクセがあって面白く、彼のスタイルも大変参考になります。

 

彼の着こなしについては、THE RAKEでも実践的な特集が組まれていましたが、ダブルブレステッドの前合わせに大剣を挟み込むなどエレガンスで大変エキセントリックなテクニックですが、決して悪目立ちしていません。
 

タイやVゾーンだけでみせるテクニック。他に、ノットをつぶしたり、またヒネったり、ディンプルを2つ入れたりといったハイブローなアレンジなどもありますが、そのどれも、ものすごくシンプルで些細な仕業ですが、何を盛ることも足すこともなく、たったそれだけで、スーツスタイルに十分なディテールを与えてくれることが、この上なく御洒落です。

 

 

 

 

 

Posted by  onodahitoshi

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